第163章

丹羽邦義は古びた服を身にまとい、全身に虫が這い回っているような不快感を覚えていた。

だが、これを着なければ、道中ずっと乞食扱いされるのは目に見えている。

丹羽元祐にしても、今日のような屈辱を味わったことなどこれまでの人生で一度もなかった。

服はどうにか手に入れたが、靴はない。

長年贅沢に慣れきった二人の足は柔らかく、大して歩きもしないうちに血豆ができてしまった。

歩く気力を完全に失った丹羽元祐とともにタクシーを拾おうと手を挙げたが、停まってくれる車は一台たりともなかった。

丹羽邦義の足も似たような惨状で、歩くたびに生々しい血の足跡が点々と残された。

「息子よ、父さんはもう一歩も...

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